nk2367nkの日記

覚え書きです。

現地視察でわかった 福島原発のあふれ返る汚染水

もうなすすべなし…


 
福島第1原発では今も、放射能汚染水が海に流れ出ている。東電は泥縄式に岸壁近くの井戸から汚染水をくみ上げたりしているが、なにしろ、海に流れ込んでいる汚染水の量は半端じゃない。東電は遮水壁をつくったり、地下水の流入を防ぐべく、凍土方式の検討を始めているが、どれもこれも場当たりで、いい加減で、福島県民をなめているのか、と言いたくなる。

そんな中、14日、民主党の国会議員が福島第1原発を視察し、問題点をつぶさに見てきた。福山哲郎増子輝彦大島九州男参院議員らがタービン建屋の状況などを視察したのだが、2つのことに驚いていた。ひとつは事態の深刻さが何一つ、変わっちゃいないこと、2つ目は、それなのに、東電のいい加減さだ。

<世界の知見を集めるしかない>

「汚染水の問題が報道されてから、与野党初めての視察ですが、止める、冷やす、封じ込めるの事故収束3原則が破綻していることが明らかになった。すべてが後手後手、東電の隠蔽、改ざん体質は変わっていないと疑わざるを得ません。作業員の方は頑張っておられるが、1日に膨大な汚染水がたまる。東芝製のアルプスでクリーンにするはずだったが、3カ月で壊れてしまった。凍土方式にも同じ疑問を持っています。今回のような大規模なスケールでの実績がないから、同じ失敗をする恐れがある。東電任せではなく、世界中から知見を集める必要があります」(増子輝彦参院議員)

汚染水の海洋流出問題は事故当初から、言われてきたことだ。それなのに、東電は今年5月に初めて、ボーリング調査に着手。参院選が終わってから海への漏洩(ろうえい)を認めた。これだけでも怪しいのに、出てきたのが凍土方式だ。政府も金を出す。抜本策に乗り出す。そんな印象の報道が続いたが、まったく違う。

「東電が汚染水の漏洩に気が付いていたのか、いないのか。これはひとつの大きな検証課題だと思います。また、凍土方式がどういう経緯で出てきたのか。実は事故当初から、この話はあったんです」(福山哲郎参院議員

しかし、実現性に疑問符が付いて、実行には移されなかったのだ。
福山は初期(平成23年)のロードマップを取り出し、記者に見せた。そこにはハッキリ、「汚染水の工法の確認」「(遮水壁の)設計着手、構築」と書いてあった。2011年12月の時点で汚染水漏洩防止が検討されていたのに、東電は有効な手を打たずに、ここまで事態の悪化を招いた。

そのうえ、今になって再び、いったんはボツになった凍土作戦とは呆れてしまう。つまり、放射能汚染水がジャブジャブ海に流れているのになすすべなし。これが実情なのだが、安倍首相はというと、のんびりゴルフ休暇を楽しんでいる。この無責任さは犯罪的と言うしかない。
(取材協力・横田一

ゲンダイネットより2013年8月15日 掲載