nk2367nkの日記

覚え書きです。

今日のコラム

7月22日松下幸之助一日一話松下幸之助.COM)

フグの毒でも

 今日のわが国では、せっかくいいものが発明されても、それに万に一つでも欠陥があれば、もうそれでそのものはすべてだめ、としてしまうような傾向が強いように思われます。それは言ってみれば、フグの毒を発見してフグを食べるのを一切やめてしまうようなものだと思います。

 科学技術が非常に進歩した今日に生きる私たちは、フグの安全な調理に成功した昔の人に笑われないよう、物事を前向きに考え、せっかくの科学技術の成果を十分に活用できるだけの知恵を、さらに養い高めていくことが必要ではないかと思います。そこに人間としての一つの大きな使命があるのではないかと思うのです。


2013年7月22日天声人語(OCN朝日新聞デジタル

天声人語

安倍自民党への二重丸

▼通信簿という名称は古び、通知表も時代遅れらしい。いまは「あゆみ」と呼ぶ小学校が多いそうだ。夏休み最初の日曜、安倍政権の7カ月の歩みに、有権者は二重丸をつけた。「1強体制」という声を聞きながら、自民党参院の第1党に返り咲いた

▼安全運転の成果でもあろう。憲法改変も原発も、負担増もTPPも、危ないところはボカシをかけ、道の真ん中を走ってきた。歴史認識で地金も見えかけたが、ハンドルを切り直した。すべて参院選のため、との見方がもっぱらだった

▼選挙が済めば、大事なのは行く先になる。道路の右側で手招きをする支持者は少なくない。衆参の「ねじれ」が消え、ブレーキなしも心配される。まずは8月15日、靖国神社を巡る対応あたりが一つの目安になりそうだ

▼6年前、7月30日の本紙を見ると、1面に「自民 歴史的大敗」とある。安倍首相は唇をかみ、政権転落の序曲となった。陰画と陽画を見るような前回との差は、民主党のふがいなさ抜きに語れない

▼あれほどの支持を集めながら、期待を裏切った。昨年末の衆院選、6月の東京都議選、そして今回と、続けて落第の×をもらった。これでは安倍さんの通信簿が相対的に甘くなるのは、いかんともしがたい

▼〈落第や吹かせておけよハーモニカ〉小沢昭一。だが世間の目はこの一句ほど優しくはない。捲土重来(けんどちょうらい)を期す意気が民主党に残っていようか。新味はなくても経験は生きる。現首相を見ても、それが2度目の強みだと思うが。